ホームシックの三男
入学式の日
私は早朝に家を出発。
車に追加の荷物をたんまり載せ
内心、これを運んだことが無駄になるのではないか(=三男を連れて帰ることになるのではないか)と思いながら県外の学校へ向かいました。
どんよりした気分にシンクロするように天気は雨。
4月だと言うのに途中からみぞれに変わってドライブ気分もへったくれもない。
でも、運転していると景色が移り変わり
山に咲く春の花や萌える木々の色が目に入ると少しずつ気持ちが軽くなっていきました。
そして寮が近づくつれて
三男は今とても苦しいだろうが、だからといって今すぐ連れて帰るのは違う。
ひとまず踏んばれと伝えて帰ろう、という考えに変わっていきました。
長い時間運転をして
10時ころ寮に到着。
1週間ぶりに会う三男、当たり前だが元気がない。
けれど、着ている服にはモルモットの毛がいっぱい付いていて相変わらずだな、ってちょっと笑えた。大好きなモルモットと触れ合えてるようで良かったなぁと安堵しました。
一緒に荷物を運び込み部屋に入ると入学式に着るスーツが吊るしてありました。
1週間前に入寮したあと「シワになるから吊るしておきな」って連絡したんだよなぁ
あのときはこんなことになるとは思わずに。
スーツ眺めながら、これを着て入学式に出席するかどうかも危ういんだなぁ、となんともいえない気持ちになりました。
運び入れが終わり、部屋に二人きりになりました。
「帰りたい」という三男。
………
私は車の中で決めたとおり
「辛くて苦しんでいるあなたを見ているのも辛いし、こう言うのも辛いけど
自分で選んだ道だからひとまず踏んばれ。入学式済んだら私は帰るね。」
と伝えました。胸が痛かった。苦しかった。
その後、担任と副担任の先生とお会いして寮での様子をうかがい、私からは三男ついて知っておいてほしいこと(性格や好きなこと、配慮してもらうと助かることなど)や、この数日何が辛いと訴えてきたか等伝えました。伝えることで三男の不安や心配や負担がほんのわずかでも減るきっかけになればいいなと思いながら。
入学式は午後。
つづく